NO.66 2012.9.4

大田桜子

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幼いときから音楽が大好きで、3歳頃から日記を書くように日常の出来事を歌にして自分で歌っていた。 そこで楽譜が書けたほうが良いだろうと4歳からピアノを習い始めた。

それからもずっと曲作りは好き勝手にし続けていたが、小学校5年生の時大きな転機が来た、
三枝成彰先生にレッスンを受けるようになり本格的に作曲の勉強を始めた。

中学3年生の頃シンガーソングライターと言う人たちが活躍し始め、歌が好きで曲も書いていた私は、その道に挑戦するか芸大の作曲科を目指すかを悩んだ末芸大に入学した。

大学時代から出身の藤沢で児童合唱団の指揮者を頼まれ、その団の為にミュージカルや合唱曲を沢山作曲した。

その実績をかわれ音楽の友社から様々な合唱作品を出版しCDを制作した。

またヤマハからは、様々なジャンルの合唱やピアノのアレンジの仕事をいただき、「ガーシュイン・イン・デュオ」「千の風になって」、「クラス合唱のザ定番」シリーズや「ディズニー名曲集」、「アカペラ・コーラス」シリーズなどのアレンジ曲集を50冊ほど手がけたと思う。

また一時期は邦楽器を入れたオペラ作品や室内楽を書く機会に恵まれ、オペラ「水無川」や「鬼打ち猿丸」、また邦楽器と弦楽器を使ってアレンジした「さくら」や「越天楽」などのアレンジCDも制作した。

ピアノの教材作成にも力を入れた時期があり、音楽の友社より新しいピアノ副教材「さくらこのまほうのピアノ」シリーズ全3巻と「楽しいリズムゲーム」全2巻を、またピアノ曲集「やさしい地球の仲間たち」を出版し、全国のピアノの先生の為のセミナーを展開した。

その中で常にかかわっていた仕事は合唱作品である。

様々な出版社から小中高校生用のオリジナル作品や、コンクールのための委嘱作品、混声合唱や女声合唱曲を数多く出版した。

平成20年にNHKの全国学校音楽コンクールの課題曲を作曲して以来、1年のほとんどが合唱の委嘱作品作曲で終わってしまう毎日となり、うれしいのだが、他のジャンルの作品も常に手がけたいと思いながら、日々合唱作品を書いている。

最近はその奥の深い面白さにかなりはまっている。

今までは思いつきやひらめきで曲を進めることが多かったが、今頃になってテクニックが必要なことがわかってきた。

常に魅力的なメロディーを捜し求めているのは同じだが、テキストの言葉をいかに美しく明瞭に聞かせるか、またメロディーをいかに効果的に歌わせるか、そのためにはどんな構成の仕方が必要でどんなハーモニーを選べばよいか、またパートの動かし方一つで立体感や、色彩が変わるなど、書けば書くほど面白く楽しんで曲作りが出来るようになってきている。

また魅力的なテキストとの出会い、詩の世界に入り込み音を模索し、その後冷静に計算をして作品を仕上げる。

幼い頃から歌が大好きな私には合唱作品があっているのかも?と思いながら、他のジャンルの作品もまた書きたいと常に考えているこの頃である。


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