NO.73 2013.12.6
                                  

   森  悠也   Yuya Mori 

 

はじめまして。森 悠也と申します。

3年前よりJCAAに名を連ねておりますが、なかなかお手伝いにも忘年会にも伺えずすみません。

東京生まれ、もやしっ子で引きこもりの27歳です。

主に、劇伴方面の作編曲仕事をやっています。

今日は、最近の出来事と共に自己紹介をしたいと思います。

 

10月。

(ドン…ドン……)

うだるような残暑のなか締め切りに追われていると、モニターから聴き覚えのないグランカッサの音が響く。

「入れたはずのないタンバリンの音が聞こえる」「コーラスが一人余計に入っている」

暑い真夏のスタジオではたまにある怪奇現象だそうだが、いかんせんここは僕の部屋だ。

まさかと思い縮こまった両足を伸ばすと、やはり(ドン…ドン……)と聞こえるではないか。

僕はハッと息を呑み、耳を立て、音の原因を注意深く探った。

 

それは、外からのお囃子だった―――。

 

僕が作曲家を目指したのは高校3年生、マレーシアへの1年留学から帰ってきた年でした。

向こうへ行ってすぐ、何の言葉も話せない僕が学校でピアノを弾くと、わっと人が集まってきたことが印象に残っています。音楽は世界の共通言語といいますが、まさに音って心に直接響くんだなぁと強く感じました。

ガムラン音楽を知ったのもその時でした。明け方に目を覚ますとどこからか妙な音が聴こえたので、音の原因を探りに行ったらガムランだった、という思い出もあります。笑

 

お囃子の音につられ、徹夜明けの髪を振り乱しながら縁日をぐるりと回った。

ふと目に止まったのは金魚すくい。ひときわ目を引く赤いライン。

綺麗な尾をした一匹のリュウキンだった。

それはまるで、透き通った歌声の波形のように美しい尾だった。

僕は彼女(?)に一目惚れし、おばさんに300円を払うと大切に持ちかえった。

 

自分の部屋で仕事をしていると、たまに空白な気分になることがあります。

そんなとき、生き物が近くにいるとふっと心が安らぎます。

仕事の気分転換は散歩がメインですが、たまにペットの動きに合わせて即興したりもします。金魚は緩急が激しくて難しい!

 

金魚の環境を整える為、観賞魚屋へ行くとリュウキン以外にも沢山の金魚が泳いでいた。

和金、出目金、コメット、らんちゅう…

その中に一つ、異彩を放つ水槽が置いてあった。

透き通った水の中には、キラキラと輝く丸い物体が沢山泳いでいる。

それは、ピンポンパールという名のぷっくりと膨らんだ真ん丸の金魚だった。

何だこれは、非常に可愛い。僕は度肝を抜かれた。

 

度肝を抜くと言えば、僕は自分の作った楽曲がマンネリ化することが嫌いです。常にどこかしら、イチオシの部分が欲しい、あわよくば聴き手の度肝を抜きたいと思っていますが、なかなか上手く行きません。

自分の力量不足や、先方の注文によっても難しいところがあります。

先方の求めているものとは何か、それと自分のやりたいこととのジレンマ。

そこがこの仕事の悩めるところでもあり、楽しいところでもあるのかなと思っています。

何といっても上手く出来あがったときの喜びは最高ですから!

 

二度目の一目惚れをし、すぐさまパールを連れて帰ったが、彼(?)は急激な水質の変化に耐えきれず、早々に旅立ってしまった。

再び、リュウキン一匹に戻った部屋の水槽。

そこには少し寂しそうな僕の顔が映っていた。

 

思わずしんみりしてしまいましたが、これがオチを決めずに書き始めた結果です。

僕は音楽でも、道すじをキチっと決めてから書かないと痛い目に合うことが多々あります。

しっかりとしたビジョンを持って、一つでも多くの一目惚れされる楽曲を作れるよう、これからも頑張っていきたいと思います。

皆さま、どうぞよろしくお願い致します

 

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