NO.82 2015.7.15
                                  

   コ永 洋明 Hiroaki Tokunaga 

 

小学生の頃、NHKTVの「音楽の広場」を見て芥川也寸志先生のファンになりました。 (それにしても金曜日の19時30分に、クラシックが毎週流れていたなんて!) 中学校一年生の時には、上野の文化会館で先生の自作自演の演奏会に行き、 楽屋に押しかけてスコアにサインをいただきました(一生の宝物です)。 やがて憧れの芥川先生と同じ学び舎で学び、先生が保存に尽力された旧東京音楽学校奏楽堂で開催されたコンクールで賞をいただくこともできました。
そして幾星霜。縁あってJCAAに入会して二年目でしたでしょうか、「ピアノ悠々Vol.2」に 出演させていただくことになり、「映画音楽」をピアノアレンジで、との話に、私は迷わず芥川先生が作曲された「青い鬼火の淵(松竹映画「八つ墓村」より)」を選びました。 コンサート当日の演奏順は何と!芥川マスミ先生の次!ということで大緊張の中演奏を終えると、聞いていらしたマスミ先生から握手をしていただきホッと一息。その後の打ち上げでのこと。 マスミ先生の正面に座らせていただいたのですが、やおら「あなた、耳は良いの?」とのご質問。思わず「はいっ!」と答えると、「実は『八つ墓村』のスコアが散逸してしまっているので、何とか 復元したいのだけど頼める?」子供の頃から憧れていた也寸志先生の作品の復元のお手伝い、 「はい!もちろんです」とお返事したもののいざ作業に取り掛かってみると、そのスコアのあまりの 見事さに自分の非力さを思い知る毎日。それでもやらねば!と格闘すること3年近く。 ただ聴音するだけでなく「也寸志先生ならこう書かれるだろう」と想像をしながら2管編成 20分ほどの組曲にまとめ上げ、昨年夏にマスミ先生に完成のご報告をしたところ、ほどなくして 「芥川也寸志生誕90年メモリアルコンサート」なるものが企画されており、その中でぜひ 「八つ墓村」も取り上げたいとのお話。そして去る5月31日に行われたそのコンサートでは JCAAにもご協力を賜り、また当日配布したプログラムには服部会長、三枝副会長、小六副会長にメッセージを寄せていただきました。
実は「八つ墓村」の音楽をフルオーケストラで聞きたい!というのは長年の夢でもありました。 JCAAに入会し、「ピアノ悠々」で也寸志先生の作品を取り上げたことで、マスミ先生に アレンジャーとして発掘していただき、夢を実現できたのはとても嬉しい経験となりました。 当会でも重要な役に就いていらっしゃる先輩作曲家からは「お前は好きなことばかりやってて いいねぇ」と褒められ(たと本人は思っております。笑)ましたが、 これからも大好きな音楽(とお酒)と毎日を歩んでいきたいとおもっております。


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◎コ永 洋明 プロフィール

1973年生まれ。湘南学園中・高等学校を経て東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。
湘南学園中学校3年生在学時に、同学園創立55周年記念作品「祝典序曲」を作曲。広上淳一指揮読売日本交響楽団によって初演される。1996年、第七回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門第二位、2003年「2 agosto」国際作曲コンクール第三位をそれぞれ受賞。1997年より横濱ジャズプロムナード「シンフォニックインジャズ」のオーケストレーションコラボレーターとして、山下洋輔、坂田明氏等をサポート。2013年文化庁芸術祭大賞受賞作品ラジオドラマ「2233歳」の音楽を担当。
2015年には長らく総譜が行方不明だった芥川也寸志の映画音楽「八つ墓村」の復元を担当、話題をよんだ。作品はオーケストラ曲から吹奏楽曲、室内楽曲、歌曲、合唱曲、ミュージカルなど多岐に渡り再演も数多い。また、アンサンブルピアニスト、合唱指揮者としても数多くの舞台や録音に参加、優れた音楽性は高い評価を得ている。












 

                                      

 

                                                         

 

                      

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