《蔵出し》 こ・ら・む はねけん総集編 〜羽田健太郎氏を偲ぶ〜平成10年JCAA JOURNAL第10号より


  昨今、世の中暗いニュースばかり、大蔵官僚や日銀の幹部、そして証券会社のTop Classの引責自殺等々。かと思えば総理経験者のM.H氏が「ぼく、や〜めた!」と、いきなり議員辞職。東海道新幹線の関が原のカーブ付近で線路を固定しているボルト数十本を外し列車転覆を計る輩がいたり……と毎日の新聞記事には事欠かない。全国の20才以上の男女1万人を対象に昨年12月に実施された統計によると「日本」が悪い方面に向かっていると答えた人72.2%と新聞は報じている。10人の内7人迄が景気停滞を含むあらゆる理由で「日本」の将来を悲観視している事に他ならない。

 そんな中で将棋の神様とまで云われた人がドロドロとした男女の愛欲関係に溺れ、酒に酔った勢いとは云えストーカーまがいのセクハラ電話を相手の女性に掛けていたという報道は少なからず興味を持ってしまった。やはり彼も普通の男だったのだ。一芸に秀でる……と云う事自体大変な事なのに、あれ程の人が……。

 そこへ行くと我々作曲家、アレンジャーは気楽な稼業だと思いません?別に国家試験がある訳じゃ無し、今時Taxi Driverにしたって幼稚園の保母さんに成ろうと思ったって国家試験をクリアーしなければLicenseは貰えないのです。処がドッコイ作詞、作曲、編曲、演奏、踊り、振り付け、写譜、切符のモギリ等、これ全てLicenseが要らないんですよね。つまり、人の生死や人格形成には直接関わって無いからなんですね。でも、ハネケンのPianoを聴いた途端に、それまで大人しかった盲腸が急に痛みだしたとか、あいつが嘘でたらめ弾いたから夕べの2日酔いがこみ上げて来た……とか云われてもキチンと立証できない訳ですから。まあ云わば気楽な商売とも云えると思います。先輩、同輩、後輩、日々音楽やってて良かった!と、思える毎日をお過ごし下さいます様、お祈り申しあげています。