NO.31
斎藤ネコ
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中学生の頃でした。渋谷公会堂で「読響ニューサウンズ」というコンサートを鑑賞しました。当時、ヴァイオリンを習っていた私にとって、リズムセクションとオーケストラによるポップスのコンサートはあまりにも印象的でした。指揮は小野崎孝輔先生、ピアノ羽田健太郎氏、ギター直居隆雄氏、ドラム石川晶氏、ベース江藤勳氏、そして読日本交響楽団、司会が徳光和夫氏、といった今では考えらねない豪華メンバー。今のJCAAの核となっている先生方(その頃は日本アレンジャー協会でした)の素晴らしいアレンジによる映画音楽やポップスの数々。ホントにカッコイイ〜!、と思ったし感動したのでした。

その後、フラっと行った中野サンプラザでのYAMAHAのポピュラーソングコンテストの関東甲信越大会では、バックにリズム隊と小オーケストラが入っていて斬新なアレンジにビックリ。(当時は譜面応募、というのがあってアレンジャーの腕の見せどころでした。)そのアンケートで、今度は世界歌謡祭のチケットが当たり、日本武道館で当時の最先端の演出と、またまた小野崎孝輔先生指揮のオーケストラの演奏に圧倒されていたのでした。(グランプリは小坂明子さんの「あなた」でした。そしてアンケートでは洗剤が当たったというオイルショックの頃でした。)

歌謡曲全盛で、まだメジャー7というコードが新鮮に聞こえたあの頃、私はアレンジャーという仕事に憧れ始めたのでしたそんなこんなで、親とも相談の結果、中2の終わり頃作曲科というものを受験すべくまずは和声法の修行に突入したのでした。

運良く作曲のコースに合格したものの、高校では大学受験の予備校的なお勉強、大学では現代音楽の作り方した教えてくれません。なんか、違うなあ〜、と思いYAMAHAでポプコンのアレンジに加わったり、ジャズピアニスト市川秀男氏のアシスタント業務についたり、CMディレクターのバイトをしたり、と現場での修行をしておりました。

いつの間にか自分でもお仕事をいただくようになり、はや20数年。数年前には服部先生からお誘いいただきJCAAに入会。そして、光栄にも理事を仰せつかったのでした。理事会は、中学生の頃の憧れの先生がたの繰り広げるトークがテレビ番組を生で見ているようで楽しいやら不思議な気持ちでいっぱいでした。

でも、各種権利関係の話になるとチンプンカンプン、なにか発言すると途端にその係に任命されそうでタイヘン怖い場所でもありました。

理事を離れ、外からJCAAを眺める立場となった私は、難しいお話は先生方にお任せして草の根運動に精を出しております。アマチュアや若手プロの弦の皆さんに、ポピュラー音楽の面白さを伝え、打ち込み全盛の業界に一人でも多く「生でやろうよ」という気持ちになっていただくべく努力しております。(偉そうですが大した事はやってませんです.....)権利も大事ですが、仕事を増やさなくてはどうにも、といったところもありますから・・・。

さて、仕事、ですが・・・。中学生の頃にカッコイイ〜!、と思って憧れて始めて現在に至るわけですが、コンナにツライ仕事とは思ってもみませんでした。なんせ、夏休み最後の日のような状態が月に何日もあるのですから。でも、スタジオで音になるのは楽しいからやめられないわけですが・・・。

また、巨匠の皆さんのリズム隊とフルオケのコンサート、是非聞きたいです。

失礼いたしました。


◎斎藤ネコ Profile
本名:斎藤毅(さいとうたけし)
■1959年5月29日、東京生まれ。(B型)

■東京芸術大学音楽学部作曲科卒業

●日本作編曲家協会元理事
●日本音楽著作権協会会員


●3歳よりヴァイオリンを始め、4歳より桐朋学園「子供のための音楽教室」で外山滋、篠崎弘嗣氏等に師事する。
●1966年、NHK-TV「ヴァイオリンのおけいこ」に出演。
●1975年、東京芸術大学付属音楽高校に入学。
●1978年、東京芸術大学音楽学部作曲科に入学。作曲を南弘明、北村昭両氏に師事する。
・在学中、弦楽合奏団「PIVOT」を主宰・指揮し演奏会を行う。
・ヤマハ音楽振興会「ポピュラーソングコンテスト」の編曲を手懸けたり、アマチュアバンドの指導を行う。
・1979年よりジャズピアニストの市川秀男氏のアシスタントとして数々のレコーディングを経験。アレンジ・指揮・ディレクション等を学習する。
●在学中よりの活動がそのまま仕事へつながり、卒業後も作・編曲、ヴァイオリニスト、キーボードプレーヤー、プロデューサーとして多方面で活動する。
●いまでは伝説の異色バンド「KILLING TIME」、「SUNSET KIDS」に在籍していた。
●1984年からは「南こうせつ」、「小林明子」等のツアーに参加。
●1987年頃からは「オン・アソシエイツ音楽出版」で数々のCM音楽の作・編曲を手がける。
●昨年活動17周年を迎えた「斎藤ネコカルテット」のリーダーとして、意欲的にライブ活動を展開している。
●2000年、「斎藤ネコレーベル」を発足。相曽晴日「月の子供」等良質の音楽を追求している。
●2002年、早稲田大学の学生を中心とした弦楽合奏団「のらねこ合奏団」を結成。ポップスのできるストリングス、の養成に力を入れている。

■主な作品
・自治省PRセンター「地方分権の歌」(作曲)'98 
・岐阜県 国民文化祭テーマソング「来てみてごらん この街へ」(編曲)'98
・静岡県 志太広域事務組合 ミュージカル「TREASURE」(作曲)'99
・光村図書 小学校一年生「国語」教科書指導書用(作曲)'04年

・NHK「おかあさんといっしょ」月の歌「雲の手紙」(作曲)'98
・NHK「母と子のテレビタイム日曜版」テーマ音楽(作曲)'97〜99
・NHK「歌謡コンサート」、「歌謡チャリティーコンサート」(編曲)'99〜

・スタジオジブリ「ホーホケキョ となりの山田君」(オーケストラ編曲)
・石川さゆり「ウィスキーがお好きでしょ」(編曲)
・明石家さんま&所ジョージ「明石家さんまさんに聞いてみないとネ」(編曲)
・その他、X、GLAY、エレファントカシマシ、HIDE、ウルフルズ、椎名林檎、YUKI、Kinki Kids、谷山浩子などの編曲。

・サントリー、SONY、NTT、JRA等CM音楽の作曲。


所属事務所:(株)フェイス音楽出版
03-5333-3315 担当・荒木
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