NO.109-2
穴沢弘慶/Hironori "Guts" Anazawa
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前回の焼酎話をお読みいただきありがとうございました!読み返してみますと、冒頭の「ミーハー係」の意味がサッパリわかりませんでしたので、そのお話をさせていただければと思います(笑)、お付き合いくださいませ。

私が「劇伴音楽カッコいい!」と思ったのは幼稚園の時、菊池俊輔先生作曲の「ドラゴンボール」の音楽を聴いた時。今でも菊池先生の音楽は大好きでサントラをよく聴いていますが、その好きさ加減ときたら・・・

私、今でも菊池先生モデルの五線紙を使っております!

高校生の頃、インターネットが流行り始めた頃で菊池先生のお名前を検索していたところ、「菊池先生が作曲の時に使われる七つ道具」を発見。菊池先生のような曲が作れるように、と楽譜屋さんにお願いして同じ物を購入、同じく菊池先生が使われている鉛筆も箱買い。我ながら大変ミーハーです(笑)。

私が「オーケストラの劇伴音楽ってカッコいい!」と思ったのは、小学生の頃、渡辺俊幸先生の「毛利元就」や大谷幸先生の「ガメラ」の音楽を聴いた時。大学生の時に渡辺先生がホームページを開設され、初投稿のブログで渡辺先生の直筆譜面を拝見することが出来、その結果私ミーハーは・・・

菊池先生モデルの五線紙を、渡辺先生と同じグリーン刷りにアップデートしました!

また大谷先生作曲の「ワンダと巨像」のオーケストラコンサートがあった際、どうしてもお会いしたという想いで必死にプレゼン。結果オーケストラアレンジをさせていただけることになり、リハーサルの後に大谷先生とサシ呑みさせていただきました!私ミーハー感無量(笑)。

同じく「ドラゴンボール」池毅先生が作曲された主題歌や、「ひとりでできるもん!」の音楽も幼稚園の頃大好きで、これまた高校生の頃に検索をしていたところ、さくまあきらさんの日記で池先生のスタジオの写真を拝見。その結果ミーハーの私は・・・

池先生と同じキーボードをマスター鍵盤として購入しました!

そして池先生とはJCAAの総会で初めてお目にかかることが出来、池先生から「穴沢くんは池マニア」とお墨付きをいただきました(笑)。

大学院の頃、ハリウッド映画で活躍する大御所先生方へ弟子入りが出来るオーディションに巡り合いました。私は大学生の頃にたくさん見た映画の中でも一際大好きだったJames Newton Howard先生に弟子入りしたいと想い応募。

数週間後、知らない番号から着信があり出てみると「あっ、ひろのり?私Alan Silvestriって いうお爺ちゃんだけど、よかった、市外局番が珍しくて番号間違ってるかと思ったよ!」続けて、「オーディションの資料見たんだけど、ひろのりの曲にはちゃんとメロディーがあるし、私に近い物を感じるんだ。よかったら私のところで勉強してみないかい?」Alan先生の元で1年間勉強させていただくことになったのですが、大変失礼ながらAlan先生の音楽をあまり知らなかった私。しかしそのお優しいお言葉に感動し突然大ファンになってしまった ミーハーの私は・・・

Alan先生が担当された映画のDVDとサントラを全て購入、また両親や友達にも普及活動を始めました!

不思議な物で、私が「Alan先生」と呼ぶものですから両親や友達からクライアントの皆様まで「Alan先生」と呼んでくださるようになりました(笑)。

Alan先生、人生の師として尊敬しております。音楽はもちろんですが、悪口を言う人はひとりもいないと言って良い程人間性も素晴らしい方を師に持てたこと、私の宝です。そしてAlan先生が私を選んでくださった理由になった「メロディーのある音楽」を沢山作って聞かせてくださった日本の先輩先生方に感謝しております。その先生方とJCAAを通じてご縁をいただけましたこと、光栄に思っております!(少年に戻ったような気持ちです・笑)

と言うわけで、ミーハー係というのはこういうことでございました。今後ともお食事会などでお写真をお願いさせていただいたりすると思いますが、その際はご寛大な許可の程、どうぞよろしくお願い致します!


〇穴沢さんの第一回はこちらから


◎穴沢弘慶/Hironori "Guts" Anazawa(あなざわひろのり) Profile
高校卒業後、単身渡米。University of South Alabamaを卒業後、University of Southern California(USC)大学院にて映画、テレビ、ゲーム音楽制作を専攻。同大学院修了後、アメリカでの活動を経て日本での活動を始める。
USC在学中、作編曲、オーケストレーション、指揮、ミックスダウンなどの音楽制作一連をハリウッドの巨匠達に学び、その傍ら学外ではオーディションを経て米映画「Back to the Future」の音楽等で著名なAlan Silvestri氏に弟子入りし、同氏のもとで業界第一線の音楽制作を学ぶ。また米TV「LOST」の音楽制作ではMichael Giacchino氏のアシスタントに選ばれ、オーケストレーションと指揮で参加する。
USC修了直後から数多くのプロジェクトに参加。ニーズに応じて多種多様な楽器や音楽ジャンルを取り入れつつ個性を最大限に活かした楽曲・アレンジを提供。映像作品を中心とした劇伴作品の作編曲から、生音のみのコンサートアレンジまで活動の幅は広く、遊び心と仲間の輪を大切にした作品作りを目指し日々邁進する一方で、芋焼酎をこよなく愛し、本場鹿児島の複数酒造さんから焼酎マイスターの肩書きを公認される程。芋焼酎の普及に貢献するほか、仕込みの時期になると鹿児島に足を運び製造や新しい可能性の研究を行なっている。
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